自転車でめぐるイタリアの壮大な山々

Mount Etna, Sicily

ハイカーが自然豊かな山道を縫うように進み、夏は観光客が山頂をめざし、冬はスキーヤーが尾根を滑り降りる――イタリアの山々は常に活気にあふれています。もし気力と体力に自信があるなら、イタリアの山岳地帯を自転車でめぐるのがおすすめです。一緒に自転車に飛び乗って、壮大な山々を登り、心奪われる景色と絵画のように美しいサイクリングルートを発見しましょう。

エトナ山

シチリア島にそびえるエトナ山は、美しいと同時に象徴的な存在でもあります。黒い砂質の土に覆われた月面を思わせる景色、火山岩、溶岩の流れた跡からなる一帯はユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録され、この世のものではないような風景は人々を惹きつけてやみません。エトナ山には年間を通じて多くの人が訪れ、難易度の高いサイクリングコースやハイキングトレイルに夢中になり、火山のドラマチックな風景や眼下に広がるすばらしい島の眺めを楽しんでいます。

ブロックハウス

大きな岩の塊の間を抜けて進む、アブルッツォ州のアペニン山脈にそびえるブロックハウスの勾配は、自転車の世界ではひそかに知られているコース。難度の高い他の山岳地帯ほど過酷ではありませんが、魅力はそれだけではありません。息をのむような美しい眺望、透き通った山の空気、静かで穏やかな個性あふれる風景は、下界の喧騒を遥か彼方のものにしてくれます。ただ、山頂までの最後の勾配にはちょっとした注意が必要です。それまでののんびりしたコースは急勾配のきついのぼり坂になり、ブロックハウスの壮大な自然の恵みは同時に過酷でもあるのだと実感するかもしれません。

巡礼地オローパ

アルプス山麓の丘にあるオローパは、イタリア屈指のキリスト教巡礼の地。自転車で登りを体験したい人にとっても訪れる価値のある場所です。聖母マリアを讃えた一帯の教会や聖堂群は起源を4世紀までさかのぼるといわれ、古代エルサレムの黒い聖母に端を発するとされる木製の黒いマリア像が祀られています。地域では黒死病をはじめとする災いから人々を救うなど、数々の奇跡が聖地と黒い聖母の守護のおかげと考えられており、近隣の町ビエラの人々は今も年に一度の巡礼を続けています。

ステルヴィオ峠

ひと味違うチャレンジをしたい人なら外せないのが、ステルヴィオ峠。南チロルとソンドリオの間に位置するステルヴィオ峠は、東アルプスの中で舗装された峠道として最も標高が高く、カーブを繰り返す標高差1,800メートル以上の道が続きます。自転車愛好家の間ではすでに人気が高く、ステルヴィオ国立公園が年に一度開催する「Stelvio Bike Day」では、周辺の交通は規制され12,000人の参加者が絶景ルートを堪能します。

 

ピアンカヴァッロ

ドロミテの山岳地帯に位置するピアンカヴァッロはスキーリゾートとして知られ、1960年代後半以降、冬には多くのスキー客が訪れる場所となっています。一方、冬の雪が解け、スキー客の姿がなくなると、一帯は自転車での山登りを楽しむのにうってつけ。静かで魅力的なイタリア有数のサイクリングコースへと変わります。豊かな緑にあふれ、可憐な野の花が咲き乱れる風景が続く中、スキーリゾートへ向かう丘を登っていきましょう。近隣の村アヴィアーノは、ひと息入れて足を休ませるのにぴったり。イタリア山岳地帯らしい本物のホスピタリティに触れられるはずです。