LA BELLA FIGURA:イタリア人と同じようにパスタを楽しむ

着こなしやふるまい、あるいは食べ方ひとつを取っても、イタリア人のアプローチは実にユニークです。彼らは暗黙のルール――自らの行動の指針となり、スタイルや性格、目標などを自然とつくりあげてくれる、日常のシンプルな掟――に従って生きています。そのことが一番はっきり表れているのが、イタリア人の食に関する習慣。どんな料理も、世代を超えて受け継がれてきたテクニックを使ってつくられ、つくり手の味覚と、昔ながらの伝統がうまく調和した状態で食卓に登場します。イタリアの伝統的な食事といえばパスタです。ソースとの最高の組み合わせから食感の大切さに至るまで、イタリア人と同じようにパスタを楽しむ方法をご紹介します。

オイルは少なめ、塩は多め

パスタを調理するとき、茹で汁はパスタそのものと同じくらい重要です。イタリア人はパスタを茹でるとき、塩を大量に入れます。「海水と同じ濃度」が理想と言われています。茹で汁の中ではパスタは塩分をそれほど吸収しないので、調理済みのパスタに塩をかけたときのように塩気が強くなり過ぎることがありません。一方、パスタの茹で汁にオイルを入れるとパスタ同士がくっつくのを防ぐことができるというのは迷信。むしろ、ソースがうまく絡みにくくなる可能性があるようです。

食感の大切さ

イタリア人は茹ですぎたパスタを「musciad」つまり「どろどろのぐちゃぐちゃ」と呼んでいます。茹で過ぎたパスタを食べたい人などいません。パスタはアルデンテが鉄則。芯が若干残っていて歯ごたえがあるのが理想です。アルデンテに仕上げるベストな方法は、水を沸騰させてから鍋にパスタを投入し、パスタを冷たい水に触れさせないようにして、鍋の温度が下がらないようにすることです。弱火にしてはいけません。また、パッケージに書いてある茹で時間が長過ぎることにも注意してください。完璧なアルデンテの状態に仕上げるには、書いてある時間よりも2分早く茹で上げることです。

最高の組み合わせ

パスタには形状(筒状やらせん状)や太さ(太麺や細麺)など、それぞれに個性があります。ですから、どのパスタにも長所があり、その長所を引き出してくれる最適なパートナーを見つけることが大事だという考えは理にかなっているのです。イタリアでは誰もがパスタとソースの適切な組み合わせを知っているといっても過言ではなく、これはイタリア人が誇りにしていることです。ペンネやリガトーニなど筋の入った円筒状のショートパスタは、濃厚なラグーソースをたっぷりとかけて食べるのがぴったり。一方、長くて細いパスタには、バジルソースやマリナーラなど、あっさり系のソースがよく合います。

パスタが主役

ソースについて、世界中のシェフが見過ごしがちなことがあります。それは、パスタの主役は麺だというルールです。おいしいソースをつくることはもちろん大切ですが、ソースの主な役割はパスタのおいしさを引き立てることであり、その逆であってはいけません。パスタをソースの海におぼれさせるのではなく、パスタの味と食感を際立たせるようにソースをかけましょう。パスタがパサパサになっている気がしたら、塩入りの茹で汁をほんの少々かけてしっとりさせましょう。

食べ残しの扱い

最高の組み合わせのソースを見つけてパスタを完璧に調理し、正しい量のソースをかけても、ついついつくり過ぎて、大量のパスタを余らせてしまうことがあります。食べ残したパスタを後で温め直しておやつとして食べるのは、おいしそうだし簡単です。でも、つくり立てと同じ味には絶対になりません。だから、その代わりに、イタリアで「Pasticcio(ごちゃ混ぜ)」の名で親しまれている料理をつくってみましょう。残りもののパスタを他の食材(モッツァレラチーズ、各種野菜、塩漬け肉、茹で卵など)と一緒に焼くと、新たなおいしい料理ができあがり、食べ残しをうまく使い切ることができます。