崖の上に立つ歴史あるソレントの建築物

美しく輝くイタリアのアマルフィ海岸の先端、崖の上に堂々と広がるソレントの街は、称賛に値するだけの理由があります。ティレニア海のまばゆい青と起伏ある崖に沿って生い茂る緑の丘のコントラスト、鮮やかな色の実をつけるオレンジとレモンの果樹園、この街が様々な彩りに包まれていることもその理由のひとつ。美しい陶磁器やレース、象嵌細工の生産で知られる文化拠点として栄え、エトルリア人、ギリシア人、ローマ人、ビザンティン人、ノルマン人が暮らしていました。この豊かな歴史とのどかな海辺の環境が、ソレントの建築に大きな影響を及ぼしています。この壮大な崖の上にたたずむ楽園の代表的な美しい建築物を見ていきましょう。

サン・フランチェスコ教会

サン・フランチェスコ教会は、世界を代表するクラシック演奏家を招いてサマーコンサートを開くことで有名ですが、この教会そのものがある種のシンフォニーを奏でています。

14世紀に建てられたバロック様式の成功例ともいえる教会で、豪華なスタッコ装飾が施されています。背の高い木の扉と、入念に描かれたフレスコ画が評判ですが、一番の見どころは美しい回廊。14世紀の典型的なデザインを施した立派なアーチのちょうど向かいに、由緒ある異教徒の寺院に由来する精緻な彫刻が施された列柱や芸術品が並んでおり、建築様式が見事なまでに融合しています。花や植物や木など豊かな自然が、心地よい鳥のさえずりを誘うこの場所は、ソレントのなかでも特にのんびりしたエリアです。

コッレアーレ・ディ・テッラノーヴァ博物館

博物館のイメージとして私たちが思い浮かべるのは、堅苦しいとか退屈だとか、特徴がないとか、そんなことばかりです。でも、ソレントのにぎやかな中心部を離れて東へ行けば、こうしたイメージを一気に払拭する博物館に出会えます。

18世紀の貴族の邸宅を1920年代に一般公開したコッレアーレ・ディ・テッラノーヴァ博物館には、16世紀から19世紀のナポリの芸術品や工芸品だけでなく、日本や中国、ヨーロッパの陶磁器など驚くほど多様な展示物があります。そして、展示物に引けをとらず美しいのがその環境です。注目スポットは、シトラスの木々にかこまれた博物館の庭園。めずらしい植物や花々の先にある展望台からは、息をのむような壮大な海岸線が一望できます。

ベルビューシレーネ

眼下で波が砕け、雄大なヴェスヴィオ火山を背景にナポリ湾を見渡せるベルビューシレーネは、ロマンスが生まれる場所。19世紀に貴族の邸宅として建てられ、現在は五つ星ホテルとして営業されている古い時代の優美さと現代の贅沢さを兼ね備えた建物です。古くからある魚屋や可憐な花々は、ここにローマ人が暮らしていたことをじゅうぶんに物語っています。言い伝えによると、岸壁の上に立ち海を見下ろす立地があまりにも美しいことから、人魚たちの住処になっていたと言います。

ソレント大聖堂

イタリアの大きな街や都市の中心部には美しいドゥオーモ(教会堂)がありますが、ソレントも例外ではありません。ソレント大聖堂はひときわ目を引くソレントの名高い聖堂です。はっとするほど美しいフレスコ画や古典様式の列柱、三層の鐘楼、マジョリカ焼きの時計が特徴。なかに入ると、1573年につくられた大理石の司教座や、ソレントの伝統工芸を用いた装飾が目を引きます。当初の扉がコンスタンティノープルで鋳造されたものであったことが物語っているように、このドゥオーモは11世紀頃に建てられました。その後、15世紀にロマネスク様式に合うように再建され、直近では1920年代に改修が行われています。